
1歳を過ぎると、語彙が増えたり、歩き始めたり、
赤ちゃんの世界はますます広がりを見せていきます。
かわいかった赤ちゃんが自己主張をはじめ、
大人を困らせることもありますが、それも発達のうち。
幼児期の発達について詳しく学習をしていきましょう。
歩く
1歳〜1歳半ごろになると、自分で歩けるようになります。
歩けるようになると、
身体面では筋力がつき、バランス感覚も発達します。
そして精神面では、
興味を持ったものに自分で近づけるようになることで、
さまざまなものに好奇心をもつようになります。
行動範囲が広がることで、
怖くなったり不安を抱いたりすることがありますが、
養育者との間に愛着関係がしっかりと築かれていれば、
養育者を「安全基地」として、
そこを中心に少しずつ探索を広げていきます。
何があっても「大丈夫」という心の支えがあるからこそ、
子どもは安心して世界を広げ、
それによって自立心も芽生えていくことになるのです。
言葉

生後4、5カ月のころから喃語を話すようになった赤ちゃんも、
1歳になると初めて意味のある言葉「初語」を話すようになります。
その後、1歳半ごろからものには名前があることに気づき、
興味を示したものを知りたいという気持ちが芽生えます。
指差しをしたり、「あれ」「これ」と周囲に質問をして、
それに答えてもらうことで楽しさを覚え、
語彙も急に増えていきます。
「まんま たべる」と二語文を話し始めるのもこの頃で、
2歳ごろには約300語を理解します。
子どもの言葉の発達
| 1歳半〜2歳 | ものには名前があることに気づき、興味を持つことで語彙が増え始める。 二語文を話すのもこのころから。 |
| 2歳〜2歳半 | 「わんわん あっち いる」のように、3語以上を話すようになる。 過去・現在・未来も区別するようになる。 |
| 2歳半〜3歳ごろ | 名詞と動詞の使い分けや、接続詞・助詞を使った文も徐々に話すようになる。 大人の言うことをまねする。 |
| 3歳〜4歳ごろ | 話し言葉はほぼ完成し、話そうとする気持ちが強まる。 大人とも話せるようになり、簡単な会話が成り立つ。 【例】 大人:今日は誰と遊んだの? 子ども:〇〇ちゃんと遊んだよ。 大人:何して遊んだの? 子ども:おすなばで遊んだよ。 |
| 4歳〜5歳ごろ | 友だち同士で会話を楽しめる。 言葉で自己主張し、自分の気持ちを相手に伝えることができる。 口ゲンカも増える。 |
| 5歳〜6歳ごろ | 相手に応じて、話す内容を変えることができる。 自分の経験を、言葉で相手に伝えることができる。 |
話すようになる時期には個人差があるものの、
言葉の発達は大体において上記のような段階を経ることになります。
言葉を話しはじめた子どもとの関わり方
言葉を話しはじめた子どもに対して、
周囲の大人は「あれは〜だよ」「これは〜だよ」と教えたくなりますが、
子どもがそれに興味を示さなかったり、
大人が指すものを目で追えないことがあります。
できるだけ子どもの問いかけに対して「答える」と言う姿勢で、
言葉のキャッチボールを楽しんでみましょう。
あそび

子どもの「あそび」は、発達と密接に関わっています。
おもちゃで遊ぶことだけが「あそび」ではありません。
子どもが五感を使って身体を自由に使ったり、
見たり、触って感じたりすることは全て「あそび」になります。
子どものあそびについては、
さまざまな研究が行われてきましたが、
アメリカの社会学者パーテンの遊びの分類が今でもよく知られており、
子どものあそびの発達を理解するのに役立ちます。
パーテンのあそびの分類
| 1.何もしないあそび 0〜2歳ごろ | あそびに進む前段階。 遊ぶというよりも、興味のあるものをじっと見たりする。 何もしていないように見えるが、たくさんの刺激を受けている。 |
| 2.ひとりあそび 2歳〜3歳ごろ | ひとりだけで遊ぶ。 他の子どもがいても関心を示さず、自分のあそびに没頭する。 ひとりあそびは重要な発達の段階であるので、ひとりだけであそぶことに養育者が不安を覚える必要はない。 |
| 3. 傍観的行動 2歳半〜3歳半ごろ | 他の子どもが遊んでいる様子を、 じっと見ている状態。 話しかけたりすることはあっても、 一緒に遊ぼうとはしない。 他の子に興味が出てくる段階。 |
| 4.並行あそび 2歳半〜3歳半ごろ | 他の子どもの近くで、同じようなあそびをする。一緒に遊ぶことはせず、同じあそびをそれぞれがおこなっている状態。 |
| 5.連合あそび 3歳〜4歳ごろ | 同じあそびを一緒におこなう状態。 簡単な会話やおもちゃの貸し借りなどの交流はあるが、役割分担は無い状態。 |
| 6.協同あそび 3歳〜6歳ごろ | 1つのあそびを、他の子どもと関わり合いながら進める。 ルールを共有し、役割分担も決める。 例えば、おにごっこや、おままごとなど。 |
このように、子どものあそびにも発達段階が存在します。
養育者は、自分の子が他の子どもと遊ばないことに不安を覚える時期もありますが、
ひとりで遊んでいるのは発達段階の1つであり、重要な時期でもあります。
時期がくれば自然と他の子どもと関わりを持ち始めるので、
養育者は基本的に、子どものあそびを「見守る」という姿勢が重要です。
次のレッスンも幼児期の発達について学習を進めていきましょう。

