Lesson2-15 青年期②

友人関係

小学校高学年〜中学生

思春期では、親よりも友だちからの影響が強まります。

この時期の子どもは仲の良い友だちができると、

「友だちにとって特別でありたい」
「大事な友だちに協力したい」

という思いから、自分のプライベートなことを打ち明ける傾向があります。

これらの行動は、人間関係を気づくために必要な
「自己開示」です。

ある程度までは許容範囲ですが、
あまりにも自己開示が過剰だと、
友だちの悩みまで背負ってしまい、
気分が沈んでしまうことも少なくありません。

この時期は、まだ自分の悩みすらうまく解決することができません。

お互いの自己開示が過剰になると、
安定した心理状態を保つのが難しくなってしまうので
注意が必要です。

また小学校高学年〜中学生は、
同じ趣味や思考、価値観を持った子ども同士で
小さなグループをつくる傾向があります。

一方で、趣味や思考が合わない子は排除する傾向も強まるため、
自分が排除されないように無理に合わせること(同調傾向)もあります。

高校生以降

高校生ごろから同調傾向は弱まり、
お互いの違いを認め、個人個人を尊重するようになります。

男女で仲良くなったり、
年齢が違う友だちもできるようになります。

ジョハリの窓

ジョハリの窓は、2人の心理学者が発案した、
自己分析を通してコミュニケーションを向上させるための心理モデルです。

友情関係を深めるために、自己分析をおこなってみると良いでしょう。

次の表を見てください。

自分は知っている自分は知らない
他者は知っている【開放の窓】
(自分も他者も知っている自己)
【盲点の窓】
(自分は気づいていないが他者は知っている自己)
他者は知らない【隠蔽の窓】
(他者にはまだ知られていない自己)
【未知の窓】
(自分も他者も知らない自己)

補足をすると、右上の【盲点の窓】は、
自分では気がつかないうちに他者を不快にさせたりしている自分の場合と、
自分では気がつかない自分の長所の場合があります。

友情を深めるためには、
【盲点の窓】と【隠蔽の窓】の領域を狭くし、
【開放の窓】を広くする必要があります。

盲点の窓の領域を狭くするには、
友だちに自分のことをどう思っているか、
友だちの気持ちや自分に対する意見を聞いてみると良いでしょう。

隠蔽の窓の領域を狭くするには、
自分のプライベートや秘密を話すことです。

そうすることで開放の窓が広がり、
友情が深まってコミュニケーションも円滑になるでしょう。

思考の発達

児童期で獲得した抽象的概念や推測にもとづいた思考は、
青年期にはさらに発達します。

例えば、友だちが言った言葉の裏の意味を考えられるようになります。

また「自分は何のために生きているの?」

「そもそも私って何?」

と、他者だけでなく自分のことについても深く考えます。

時間概念の発達

青年期は時間概念も発達し、
児童期のころのように今日明日、一週間前後のことだけでなく、
未来のことまで考えることができるようになります。

時間的展望の幅が広がることで、
過去のことについて悩んだり、
将来のことを考えて不安になることも多くなります。

社会のことを考える

青年期には、社会や世界にも視野が広がり、
さまざまな問題点などに関心を寄せ理解も深まっていきます。

社会の構成員として自分にできることはないかと感じることもできるようになります。


青年期は価値観や道徳性が広がることで、
それに対して深く考え、
不安に感じたり、悩んだり、怒りを覚えたりなど、
さまざまな感情を体験する時期だということがわかりましたね。

次のレッスンも引き続き、青年期の発達を学習します。