Lesson2-14 青年期①

ここからは青年期について解説していきます。

この時期、子どもの見た目は大人とほとんど同じになっていきます。

しかし、大人とも子どもとも言えないこの時期の子どもの扱いに、
頭を悩ませる親は少なくありません。

この時期の子どもに見られる発達には、
どのようなものがあるのでしょうか。

第二次性徴

Lesson2-12の児童期の章でも解説しましたが、
中学生入学前後から急激に身長が伸びたり、
性ホルモンの分泌がさかんになっていきます。

これが第二次性徴です。

この時期の身体の急激な変化は、
不安や戸惑いなど、心理面に大きく影響します。

大人に近づくことで喜びもある一方で、
成長が周りの子よりも早い、遅いなど個人差が生じるので、
悩む子どももいます。

これは自分自身に関心が向くようになったということの表れでもあります。

また、性への意識が高まるにつれ、異性への関心も強くなります。

身体の変化により、
自分自身と周囲への見方までもが変わってくるのです。

第二次反抗期

小学校低学年ごろまでの子どもは、
大人の言うことは絶対的でした。

それが成長し、友だちとたくさん関わる中で価値観が広がり、
親や大人が言うことが絶対に正しいわけではないと理解するようになります。

親の矛盾した考え方に疑問を抱くようになるのです。

また、体格が親に近づくことで、
それまでは大きくて絶対的な存在だった親が、
そうではなくなっていきます。

親は絶対ではなくなり、
さらに親とは異なる価値観や考え方も知るため、
それまでのように親の言うことを素直に聞けなくなり、
これから親とどのように接していくかを模索し始めます。

このような心の葛藤が、
親への反抗的な態度になったり、
会話が減ったりすることにつながります。

これがいわゆる、第二次反抗期です。

2歳の頃のイヤイヤ期もそうであったように、
子どもは精神的にさまざまな葛藤を抱えながら親に反抗し、
そして成長していくのです。

第二次反抗期の子どもへの対応

この時期は、親よりも友だちの意見を尊重し、
友だちと過ごす時間を優先する傾向があります。

子どもの学校生活のことなど、
これまでのように子どもに質問をするだけでも、

「うるさい!」
「干渉しないで!」

と反抗的な態度を取られたり、

「別に、いつもと同じ」
「・・・(無視)」

と、鬱陶しそうな態度を取られたりすることも
あるでしょう。

それに対しては腹を立てるのではなく、

「何かあればいつでも言ってね」
とおおらかな態度で接すると良いでしょう。

これは成長の一過程にすぎないと理解し、
大人に成長しているんだなと受けとめてあげてください。

反抗期がない場合

反抗期が来る時期や強さには、個人差が見られます。

中学生〜高校生の時期には反抗的な態度を見せなかったのに、
20歳近くになってから見せる子もいます。

一方で、反抗期が全くない子もいます。

近年では、全体的に反抗期自体が減っていると言われています。

反抗期がない理由としては、
次のようなことが考えられます。

  • 親との関係が良好
    (子どもに対して理解のある親が多くなった)
  • 子どもの気質
    (親に従順、内向的、またはコミュニケーション能力が高いなど)
  • 世代間のギャップがなくなってきている
    (友だちのような親子関係が増えてきている)
  • 親が、子どもが反抗期だと気がついていない

上記のような理由で反抗期がない場合は、
あまり心配する必要はないでしょう。

ただし、親が高圧的で精神的・身体的に虐待されているなどの場合は、
反抗する気力すら奪われている可能性も考えられます。


次のレッスンも、引き続き青年期の発達について解説していきます。