
これまでのレッスンでは親の視点に立って解説してきましたが、
子育てというのは子どもあってのものです。
ここで、子どもの視点に立って考えてみましょう。
親の機嫌を伺う子ども
親が家庭の中でイライラばかりしていると、
その子どもは大人になっても生きづらさを感じてしまうケースが多いと言います。
また、親がいわゆる一般的に良いとされる価値観、
例えば、
- 良い成績を取る
- スポーツで活躍する
- 有名企業に入る
などばかりを子どもにおしつけて、
それができないと評価をしてもらえなかった子どもは、
「自分は生きていてはいけない存在なんだ」
とすら思うようになります。
そういった子どもたちの多くは、
家庭の中で日々、親のご機嫌を伺っています。
「お父さんとお母さん、今日は機嫌が良いのかな?」と。
そして、幼稚園生活や学校生活は、
親の喜ぶ顔を見るために、
親の期待に応えるためにがんばろうとしてしまいます。
そうしないと自分そのものを受け入れてもらえないからです。
だからそれが叶わなかった時には、
親に嫌われてしまうのではないかと苦しみます。
一般的な価値観というものが、
子育てをする親たちにとって存在が大きいのはわかります。
お遊戯が上手な子、毎日学校に楽しく通って友だちが多い子、
頭が良くて有名な学校に合格する子・・・
そんな子どもが周りにいれば、
なおさら自分の子どもと比べてしまうでしょう。
どうしてうちの子はできないのかしら、と。

しかし、幼稚園や学校に通っているのは誰でしょうか。
受験で落ちたとしても、それを経験するのは誰でしょうか。
学校へ行きたくないと言っているのは、誰でしょうか。
それは、親ではなく子ども自身ですよね。
子どもの人生は、子どもだけのもので、親のものではありません。
長い人生で、うまくいくことも挫折することもたくさんあるでしょう。
社会人になってからはなおのこと、
仕事で叱られたり、思い通りにいかないことを経験するはずです。
そういうことを乗り越えていける土台というのは、
家庭の中で幼少期から思春期の間に育つものなのです。
ですから、子どもはこの時期に家庭の中で、
安心して過ごせることが重要です。
家庭の中で親に見守られながら、
自分は安全な場所にいて、
ここでは自分の気持ちを理解してもらえ、
たとえ失敗しても励ましてもらえ、自分自身を認めてもらえる。
子ども時代の家庭と言う場所は、
そういう場所でありたいものです。
一度立ち止まって、
子どもの視点になって考えてみるのも良いでしょう。
または、自分が子どもの時、
どんなことを考えていたのかを思い出してみてください。
お母さんとお父さんがいつもイライラしているよりは
機嫌良く笑っている方が嬉しいと思いませんか。
最近「イライラしているな」と思った人は、
Lesson4で学んだことを実践して、
なるべく笑顔で子どもに接することができるようになると良いですね。
親が笑って幸せに過ごしていると、
子どもも幸せなのです。

