Lesson6-4 児童期以降

このレッスンでは、児童期以降の子どもへの対応の難しい場面を取り上げ、
どのように対処していくかを解説します。

反抗期

児童期から思春期に見られる反抗期は、
イヤイヤ期とは全く別の難しさがあります。

「うるさい!」
「ほっといて!」
「ママだってやってたじゃん!」

と、強く反抗することもあれば、

「めんどくさい」
「疲れたから」

と、気のない対応をされたり、
子どもによっては無視してくることも。

しかし、これも成長過程の1つです。

この時期の子どもは親に反抗することによって、
意見が違う人に自分の意見を伝えたり、
圧力をかけてくる人に対して自分を守ったりすることを
学んでいきます。

親からすれば、何で普通に会話ができないんだろう、
どうしていちいち反抗的なのだろうか、
と不思議に思いますよね。

ちゃんと会話ができればお互い分かり合えるのに・・・と。

子どものことを想って話しかけているのに、
子どもの言葉に傷つくことも少なくないかもしれません。

しかし、それは学校生活や友人関係のストレスで、
モヤモヤと心の中に溜め込んでいるものを発散している場合もあります。

親にとっては試練かもしれませんが、
信頼関係がしっかりできている親だからこそ、
子どもは反抗ができるのです。

反抗されたら「自分はこの子に信頼されているんだな」ぐらいに思って、
おおらかに構えられると良いですね。

反抗期の子どもに話しかけるポイント

まず、大人は言うことを聞かない子どもに対しては
どうしても高圧的になりがちです。

やってほしいことがあるならば、
「命令」と言う形ではなく、
どうしてやるべきなのかを子どもが納得するまで説明してあげてください。

口答えや暴言をしてくる子どもに対しては、
それに対して親である自分が感情的にならないように注意しましょう。

その口答えや暴言を遮らずに、最後まで聞いてください。

そして、子どもの放つ言葉の裏側にある意味を、
理解するように努めましょう。

子どもが親を傷つけるようなことを言ったとしても、
本当にそう思っているわけではないのです。

親がやってほしいことに対して、
子どもがどう思っているかも聞いてみて、
子どもの意見も受け止めた上で、
どうするかを決めてください。

子どもの怒りがおさまらず、話ができない場合は、
その時に無理に進めるのではなく、
時間をおいて話しかけてみましょう。

また、子どもの言葉に傷ついた時は、
正直にその気持ちを伝えても良いのです。

例)

「口出しされたくない気持ちもわかるよ。
でも、あなたにそんなことを言われて、
お母さんはとても悲しい気持ちになったよ」

と、自分の気持ちを伝えた上で、

「お母さんが言うことに腹が立ったら、
どうして腹が立つのかを落ち着いて話してくれたら嬉しい」

このように、
相手を傷つけなくても済む、
自分の気持ちの上手な伝え方をそれとなく教えてあげてください。

学校に行きたくない

「今日学校に行きたくない」

と、朝起きて突然言われることがあります。

親は不安になりますよね。

しかし、毎日元気に学校に通っている子どもでも、
「学校に行きたくない」と言い出すことはよくあることです。

親の仕事の都合もあり、

「熱がないから大丈夫だよ」
「行ったら楽しいよ」

と、行きたくないと言う子に無理やりランドセルを背負わせて、
学校へ行かせたことがある人もいるのではないでしょうか。

しかし、このような場面でも、
子どもの気持ちを尊重する余裕を持ちたいものです

「学校に絶対に行かなければいけない」と親が思っていると、
子どもから学校を休むという選択肢を奪ってしまいます。

例えば学校で嫌なことがあったり、
いじめを受けていて、それを親や先生に告げる勇気がない子は、
学校が休めないとなると逃げ場がなくなってしまいます。

このような究極な場面は、子どもの命にも関わってくることです。

学校を休ませることは、
親は「自分の育て方が間違っていたのかな」と思ってしまい、
親失格の烙印を押された気分になるでしょう。

しかし、そんなことはありませんし、
学校には無理して行かせなくても良いのです。

体が疲れている、心が疲れている子どもを休ませても大丈夫です。

だからもしも子どもが「今日は学校に行きたくない」と言ってきたら、
その気持ちをできるだけ尊重してあげましょう。

少し落ち着いて、行きたくない理由を聞いてみると良いでしょう。

もしかしたら、「何となく」とだけしか言わないかもしれません。

「話したくない、」「今は話したい気分じゃない」ことは、
子どもにもよくあることです。

その時はそれ以上は聞かず、
ゆっくり休ませてあげてください。


Lesson7では、主に幼児期の子どもを対象に、
子育てがスムーズに進む声かけの方法について
学びましょう。